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脳の機能に関連した遺伝子探しは気質や性格も変えられるかこのように、いまは主に病気の治療に使われている遺伝子医療だが、体質的疾患も治るとなれば、次には「気質や外見、性格なども変えられるか」と問いたくなるのは私だけではないだろう。
子供が外見的にも体質的にも親に似るのは間違いない事実だから、DNAのどこかに″親からもらった遺伝的資質″がひそんでいなければおかしい。
遺伝子治療などによって、これをどこまで変えられるようになるのか、大いに興味があるではないか。
遺伝の専門家や研究者に以上のような質問をした場合、返ってくる答えはほとんど決まっている。
各国の多数の研究者によって精力的に進められているのである。
そこで冒頭の性転換の可能性についてだが、性科学にくわしい京都大学名誉教授の大島清氏が「いまの遺伝子操作の技術では、たった1つの遺伝子でさえ″交換する″ことはできません。
研究や臨床応用が進められている遺伝子治療は、ふつうに機能する遺伝子を細胞内やDNAの一部に割り込ませているだけで、場所まで狙って入れることはまったくできません。
つまり、いまのところ足りない機能を外来遺伝子で補う技術であって、″遺伝子を入れ換える″または″遺伝子を治す″技術ではないのです」。
まして、個人の体質とか性質は1つや2つの遺伝子で決まる簡単な資質ではないし、環境によって変わるものでもあるから、遺伝子レベルだけの問題として決定することはできないというの「人間の場合、性といっても脳の性と性器の性の2つがある」として、こう答えている。
「もしかしたら、遺伝子治療で女性ホルモンなど一部のホルモンの分泌だけをよくする、ということが可能になるかもしれません。
しかし、それがそのまま性転換に利用できるとは考えられません。
(誕生のときに性器はできているので)変化するのは脳の性だけで、肉体と脳が分離したきわめて異常な人間ができて、悲劇を生む結果になるでしょう」遺伝子が明らかになれば、遺伝子診断ができるようになり、必要なら遺伝子治療で治せる。
この発想をどこまで良しとするか。
いまはまだ未熟な医療だから大したことはないですむが、遺伝子技術が進むにしたがって、厳しい判断が必要になるのは間違いないのである。
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